植育と食育
食べることは生きる上での基本。だからこそ、食べものがどのように作られ、どのように食卓に並ぶのかを知る「食育」は、子どもにとってとても重要です。そんな食育ですが、ご自宅の庭を活用すれば、“食べる”よりも前にある、植える・育てる・知るという「植育」を通して、育てる楽しさも体験できます。今回は、植えるから食べるまで、子どもといっしょにできる「ショク育」の楽しみ方をご紹介します。
子どもといっしょに、
「植える」から「食べる」まで。
Let’s enjoy planting
自ら植えた植物がだんだん育っていく様子は、子どもに新たな発見や喜びを与えてくれるはず。成長を楽しみながら、食べものへの興味や関心を育むことができます。ここではおすすめの植物をいくつかご紹介。好みに合った植物を育ててみませんか。
ブルーベリーを
育ててみる。
甘酸っぱくておいしい、子どもに人気のブルーベリー。実を食べる植物として知られていますが、観賞植物としても人気が高く、鐘のような可愛らしい白い花を咲かせます。庭植えや鉢植え、プランターでも育てることができ、初心者の方にもおすすめです。
Point.1
ブルーベリーは同系統内・他品種のものを2本一緒に育てることで、収穫量が増え、果実も大きく実ります。一般的に流通しているのは、ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュ、ラビットアイの3系統。手に入りやすいものの中から、異なる品種の苗を植えましょう。
Point.2
ブルーベリーは乾燥が苦手。植え付けたあと、土が乾いたら鉢の底から出てくるくらいたっぷりと水を与えましょう。暑い時期は毎日水やりをしてもOKです。
Point.3
実をつけるためには受粉が必要です。花が咲いたら花粉を綿棒につけ、育てているもう一方の株のめしべに付着させて人工授粉させましょう。
育て方のポイント
ミントを
育ててみる。
サラダやデザートに添えたり、カクテルや甘い飲み物に入れて香りを楽しんだりと、いろいろなアレンジができるミント。ペパーミントとスペアミントをはじめ、実はたくさんの種類があります。暑さや寒さに強く、栽培しやすいため、水やりだけで簡単に育てることができます。
Point.1
日当たりが良く、風通しの良い場所を好むミントですが、強すぎる直射日光は枯れる原因になってしまうことも。適度な日なたや軽い日陰の環境で育てていきましょう。
Point.2
ミントは花を咲かせると香りが弱くなってしまいます。食用で楽しむ場合は花が咲く前に葉を摘みましょう。つぼみが付いた茎も取り除くのがおすすめです。また、繁殖力の高さから、庭植えだと周りの植物の栄養を奪い取ってしまうため、プランターや鉢植えを選びましょう。
育て方のポイント
ミニトマトを
育ててみる。
栄養豊富で料理やお弁当を彩ってくれるミニトマト。家庭で育てる植物としても人気の野菜です。栽培が簡単で収穫量も多く、誰でも手軽に育てることができるため、あまり失敗しないミニトマトは子どもの自由研究にもぴったり。始めるにはまず、種よりも早く実をつけられる苗から栽培していきましょう。
Point.1
苗の植え付けに適した時期は4〜5月頃。気温が20〜30度くらいになる時期が適しています。苗についている葉が6〜7枚になったら植え付けていきましょう。ミニトマトの根は深く伸びていくので、高さのあるプランターを選ぶのがポイントです。
Point.2
ミニトマトは縦によく成長し、実も大きくなるため、苗がしっかり根付いたら支柱を立て、そこにつるを結び付けて形を整えていきましょう。水やりは乾燥気味に育てることで、甘みの強いおいしいミニトマトに育てることができます。
育て方のポイント
Let’s enjoy eating
安心・安全で採れたての味わいを楽しめるのは、自分の手で育てたものだからこそ。時には、苦手だった野菜を育てることで興味が湧き、食わず嫌いを克服することもあります。ここでは、育てた果物や野菜を使ってできるアイデアメニューをご紹介。子どもにとって、育てたものをおいしくいただくことは、食べることについて考えるきっかけとなります。
ブルーベリー
なら
焼き立ての食パンに薄くバターを塗り、クリームチーズをまんべんなく塗って、採れたてのブルーベリーを挟めば、ブルーベリーの爽やかな甘みがあとを引くフルーツサンドのできあがり。余ったブルーベリーはじっくり煮詰めてジャムにするのもおすすめです。
ミント
なら
炭酸水にレモン果汁とはちみつ、摘みたてのミントを加えれば、爽やか仕立ての甘いレモンスカッシュに早変わり。レモンには疲労回復効果があるため、暑い時期や運動後にもぴったり。見た目にも体にもちょうど良いフレッシュな一杯です。
ミニトマト
なら
半分に切ったミニトマトと、お好みでソーセージやたまねぎ、ナスなどを敷き詰め、チーズを乗せてオーブンでじっくり焼けば、具だくさんなチーズ焼きの完成。ボリューミーな食べごたえに、子どもも喜ぶ一品です。
Let’s enjoy coordinating
食べるものと同じように、食べる場所も大切な要素のひとつ。普段の食卓にちょっとした彩りを加えることで、より素敵な空間になります。例えば、ブルーベリーの花やミントを小瓶に差して華やかに演出してみたり、ランチョンマットとキャンドルを飾っておしゃれな雰囲気にしてみたり。いろいろな工夫で、テーブルコーディネートを楽しんでみてください。
ショク育を、
より楽しくおいしく。
庭でできる「植育と食育」を通して、
子どもはたくさんのことを学び、経験し、大きく成長していきます。
それを見守る親にとっても、
子育てにおける大切なことに気づかされる貴重な機会となるはず。
これをきっかけに、ご自宅の庭で手軽にできる「ショク育」をはじめてみませんか。